通勤電車のサラリーマン

 朝の通勤電車。車内に入ると座っている乗客は目を瞑っており、立っている乗客はスマホ片手に画面を睨んだり叩いたりと忙しそう。申し合わせたかのように黒のリュックを背負い艶が消えて餃子のようにシワがたくさん入った疲れた革靴。ターミナル駅でドアが開くとゾロゾロ降りる通勤客。スーツやシャツのショルダーはリュックの重さで潰れていたりシワになったりと無惨な姿に。エレガントにはほど遠いサラリーマンの通勤の様子。お洒落とかではなく身だしなみに無頓着とも思える通勤の服装に溜め息を吐くか伸び代があると見るかは預かり知らぬこと。家を一歩でも外に出れば人目に晒される。人様を見て「あの人性格良いよね。なんだか性格悪そう。」そんなことはわからない。でも「あの人かっこいい服着てるよね。お洒落な装いだね。」など他人へのアプローチは見た目から入って話をして性格をがわかるもの。きちんとした身なりは自分自身を知ってもらう最初の発信で、家に例えるならエントランスなんだよと、いつもの通勤電車で思うのである。